【2025年・2025年度】受験者数が少ない国家資格・国家試験ランキングTOP15

2025年・2025年度の公式公表値をもとに、受験者数が少ない国家資格・国家試験TOP15を調査。火薬、原子力、公害防止、林業、医療など、何の資格なのか、なぜ受験者が少ないのかまで分かりやすく解説します。

宅建は年間20万人以上。ITパスポートも年間20万人を大きく超えます。

実際、受験者数が多い国家資格ランキングTOP15では、ITパスポート、宅建、危険物乙4などが上位に並びました。

国家資格というと、何千人、何万人もの受験者が集まる試験を想像する人が多いかもしれません。

では、逆に。

受験者がものすごく少ない国家資格・国家試験は、どれくらいの規模なのでしょうか。

1,000人?

500人?

100人?

調べていくと、普段よく見る資格ランキングとはまるで違う世界が出てきました。

火薬、原子力、公害防止、林業、医療。

名前だけでは「何をする資格なの?」と思うものも少なくありません。

そこで今回は、2025年・2025年度について、全国の実受験者数を公式資料から確認できた国家資格・国家試験を調べ、受験者数が少ないものを並べてみました。

まずは結果を見てください。

受験者数が少ない国家資格・国家試験TOP15

受験者数が少ない国家資格・国家試験ランキングTOP15。2025年・2025年度の公式公表値をもとに資格録ラボが集計

いや、少なすぎる。

1位は、全国で21人です。

学校の1クラスにも満たない人数しか受けていません。

2位も26人。3位も47人。

「国家試験」という言葉から勝手に想像していた規模とは、かなり違いました。

ただ、ここで大事なのは、受験者が少ない=必要とされていない資格ではないということです。

一つずつ調べていくと、「なるほど、だからこの人数なのか」と納得できる理由がありました。

今回のランキング、どう数えた?

今回は原則として、2025年または2025年度に実際に受験した人数を使っています。

申込者数や出願者数ではなく、公式資料で受験者数・受検者数を確認できるものを優先しました。

また、「少ない国家資格」を探そうとすると、資格の切り方次第ではいくらでも人数を小さくできます。

たとえば技能検定を「○級・○作業」まで細かく分ければ、受検者が数人という区分も出てきます。同じ免許の限定区分だけを独立資格のように扱うこともできます。

それでは何を比べているのか分からなくなるので、今回は独立した国家資格・国家試験、または正式な資格区分として比較できるものを対象にしました。

さらに、2025年・2025年度の全国実受験者数を公式資料から同じ条件で確認できない試験は、無理に推計して順位へ入れていません。

そのため、この記事は「日本に存在するすべての国家資格を完全網羅した絶対順位」ではありません。

公式資料から全国の実受験者数を確認でき、比較可能と判断した国家資格・国家試験のランキングとして見てください。

では、ここから「何の資格なのか」を1つずつ見ていきます。

こんなに少ないのは、そもそも受験資格が厳しいから?

ランキングを見て、最初にこう思う人もいるかもしれません。

「特殊な国家資格ばかりだし、そもそも受験できる人がほとんどいないのでは?」

ところが、調べてみると意外でした。

受験者が少ない資格の中には、試験を受けるだけなら実務経験を求められないものがかなりあります。

たとえば、公害防止管理者等国家試験は、年齢・学歴・実務経験による受験制限がありません。

高圧室内作業主任者や林業架線作業主任者も、試験そのものには受験資格がありません。

火薬類製造保安責任者も、「すでに火薬工場で何年働いていないと受けられない」という試験ではありません。

それでも、

公害防止主任管理者は47人。

高圧室内作業主任者は56人。

林業架線作業主任者は116人。

乙種火薬類製造保安責任者は26人。

しか受けていません。

ここが、今回のランキングでかなり面白かったところです。

受験者が少ない最大の理由は、必ずしも「受験資格が厳しいから」ではありません。

むしろ多くの場合、

その資格を必要とする仕事や現場そのものが、ものすごく限られている。

こちらの方が大きそうです。

もちろん、全部が誰でもそのまま資格取得まで進めるわけではありません。

高圧室内作業主任者や林業架線作業主任者のように、試験は受けられても、免許申請の段階では実務経験等が関係する資格があります。

逆に、特別ボイラー溶接士や土地区画整理士技術検定のように、受験する段階から前段階の資格や実務経験が必要なものもあります。

つまり、

「試験を受けられるか」
「合格後に免許を取得できるか」
「実際にその資格を仕事で使えるか」

は別の話です。

この違いも意識しながら、1位から見ていきます。

1位 幼稚園教員資格認定試験|21人

最初に数字を見たとき、

「幼稚園の先生って、こんな国家試験を受けるの?」

と思いました。

実は、普通はこの試験を受けません。

幼稚園は学校教育法上の「学校」で、先生になるには幼稚園教諭の免許状が必要です。通常は大学や短大などで教職課程を履修し、必要な単位を取って免許状を取得します。

幼稚園教員資格認定試験は、その通常ルートとは別の道です。

文部科学省によると、教員資格認定試験は、大学などで教職課程を取らなかった人にも教職への道を開くために設けられた制度です。幼稚園の試験に合格すると、都道府県教育委員会への申請によって幼稚園教諭二種免許状の授与を受けることができます。

2025年度は、

出願24人、受験21人、合格12人。

全国で21人です。

つまり、「幼稚園教諭を目指す人が21人しかいない」という意味ではありません。

通常とは違う、この特殊な取得ルートを使って試験を受けた人が21人だったということです。

理由を知ると納得できます。

それでも全国21人の国家試験という数字には、やっぱり驚きます。

2位 乙種火薬類製造保安責任者|26人

一気に日常から遠い名前が出てきました。

乙種火薬類製造保安責任者は、火薬・爆薬や火工品を製造する工場で、火薬類取締法に基づく製造保安責任者、その代理者、副保安責任者などとして選任されるための資格です。

乙種では、1日に火薬または爆薬1トン未満を製造する工場などが対象になります。

2025年度は、

出願28人、受験26人、合格7人。

なぜこんなに少ないのか。

かなり分かりやすいです。

そもそも、火薬や爆薬を製造する工場で、この資格を必要とする人という母集団が非常に小さい。

しかも意外なことに、「火薬製造の実務経験がないと試験を受けられない」という資格ではありません。

それでも全国26人です。

つまり、入口が極端に狭いというより、この資格を取る意味がある人そのものが極端に少ない。

「何か資格を取ってみよう」と思って気軽に選ぶ資格ではなく、必要な世界にいる人が受ける。

そんな国家資格です。

3位 公害防止主任管理者|47人

「公害防止管理者」は聞いたことがあっても、公害防止主任管理者まで知っている人はかなり少ないかもしれません。

法律では、ばい煙や汚水などを発生させる一定の工場に、公害防止のための人的組織を置くことが求められています。

その中で公害防止主任管理者は、公害防止統括者を補佐し、公害防止管理者を指揮する立場です。

しかも主任管理者が必要になるのは、ばい煙発生量と排出水量がともに一定規模以上となる特定工場です。

2025年度の受験者は、

47人。

合格者は12人でした。

資格そのものが重要でないわけではありません。

しかも、公害防止管理者等国家試験は年齢・学歴・実務経験による受験制限がありません。

誰でも試験には挑戦できるのに、主任管理者は全国47人。

むしろ、この資格を置く必要がある工場の条件がかなり限定されていることの方が、受験者の少なさに強く効いていると考えられます。

4位 高圧室内作業主任者|56人

名前を見ただけでは、何の仕事なのか想像しにくい資格です。

高圧室内作業とは、潜かん工法などの圧気工法によって、大気圧を超える気圧になった作業室やシャフト内部で行う作業のこと。

こうした環境では高気圧障害などの危険があるため、作業室ごとに高圧室内作業主任者を選任する必要があります。

作業主任者は、作業方法を決めたり、作業者を指揮したりします。

2025年度の受験者は、

56人。

合格者は46人でした。

そして、この試験自体には受験資格がありません。

つまり、試験を受ける入口が56人分しかないわけではないのです。

それでも56人しか受けない。

資格がマイナーだからというより、

そもそも高圧の作業室で仕事をする現場が特殊すぎる。

なお、試験に合格することと免許交付は別で、免許申請時には実務経験などが関係します。

この「受験はできる。でも必要とする人がほとんどいない」というタイプは、今回のランキングで何度も出てきます。

5位 核燃料取扱主任者|84人

ここから原子力分野です。

核燃料取扱主任者は、核燃料物質の取扱いに関する保安・監督を行う技術者です。

加工事業者や再処理事業者は、核燃料物質の取扱いについて保安監督を行わせるため、核燃料取扱主任者免状を持つ人の中から主任者を選任しなければなりません。

2025年度に実施された第58回試験の受験者は、

84人。

試験では、核燃料物質に関する法令、物理・化学的性質、取扱技術、放射線の測定や障害防止などが問われます。

名前を見れば想像できますが、必要とされる世界はかなり限定されています。

ただ、その限られた施設にとっては、保安監督を担う非常に重要な資格です。

6位 原子炉主任技術者|88人

こちらはさらに直球です。

原子炉主任技術者は、原子炉の運転に関する保安・監督を行う技術者です。

原子炉の設置者は、原子炉の運転について保安監督を行わせるため、免状を持つ人の中から原子炉主任技術者を選任する必要があります。

試験は筆記試験と口答試験の二段階。

2025年度に実施された第68回の筆記試験受験者は88人でした。

核燃料取扱主任者84人。

原子炉主任技術者88人。

日本全国で見ても100人に届きません。

「受験者が少ない」という数字から、原子力分野の専門職がかなり限られた世界であることも見えてきます。

7位 丙種火薬類製造保安責任者|89人

再び火薬です。

丙種火薬類製造保安責任者は、信号焔管、信号火せん、煙火などの製造に関わる資格区分です。

煙火というと、身近な言葉に置き換えれば花火です。

2025年度の受験者は、

89人。

花火大会には何万人、何十万人と集まることがあります。

でも、その花火などを製造する側の保安資格を受ける人は全国で89人。

こうやって見ると、資格の数字が急に現実の仕事とつながって見えてきます。

8位 甲種火薬類製造保安責任者|102人

火薬系3つ目です。

甲種火薬類製造保安責任者の免状を持つ人は、火薬・爆薬または火工品の製造工場で、製造保安責任者、その代理者、副保安責任者などとして選任される資格を得られます。

2025年度は、

出願112人、受験102人、合格12人。

TOP10の中に、

乙種26人、丙種89人、甲種102人。

火薬類製造保安責任者だけで3区分も入ってきました。

受験者数の多い側から資格を見ているとまず気づきませんが、少ない側から見ると火薬業界の存在感がものすごいです。

9位 林業架線作業主任者|116人

これも、名前だけでは仕事の風景が浮かびにくい資格です。

山林で伐採した原木を搬出するとき、斜面などでは機械集材装置や運材索道が使われます。

そうした設備の組立て・解体や、それを使った集材・運材作業を行う場合に、林業架線作業主任者を選任する必要があります。

主任者は、作業方法を決め、作業者を指揮します。

2025年度の受験者は、

116人。

しかも、林業架線作業主任者も試験そのものに受験資格はありません。

それでも116人です。

「林業」というだけでも対象者はかなり絞られ、さらにその中でも架線を使った集材・運材の仕事に関わる人が中心になります。

こちらも免許交付の段階では実務経験等が関係しますが、少なくとも「試験を受けられる人が116人しかいない」わけではありません。

資格の説明を読むと、

116人という数字に妙な納得感があります。

10位 特別ボイラー溶接士|154人

特別ボイラー溶接士は、ボイラーや第一種圧力容器の一定の部分を溶接する際に必要となる資格です。

しかも、誰でもいきなり受験できるわけではありません。

原則として、普通ボイラー溶接士の免許を受けた後、1年以上のボイラーまたは第一種圧力容器の溶接経験が必要です。

つまり、

溶接をする人の中から、ボイラー溶接をする人へ。

そこから普通ボイラー溶接士になり、さらに実務経験を積んで特別ボイラー溶接士へ。

最初からかなり細い道です。

2025年度の学科試験受験者は154人。実技試験は142人でした。

少ないのも納得ですが、それだけ専門性の高い資格でもあります。

11位 高等学校教員資格認定試験(情報)|169人

1位の幼稚園と同じ、教員資格認定試験です。

通常、高校の先生になるには大学などで教職課程を履修します。

一方、教員資格認定試験は、大学などで教職課程を取らなかった人にも教職への道を開く制度です。

高校では現在「情報」が実施されており、合格後に申請することで高等学校教諭一種免許状(情報)の授与を受けることができます。

2025年度は、

出願180人、受験169人、合格56人。

こちらも「高校の情報教員を目指す人が169人しかいない」という意味ではありません。

通常の教職課程とは別のルートを利用した受験者が169人だったということです。

1位の幼稚園21人と比べると多く見えますが、全国規模ではこちらもかなり小さな試験です。

12位 義肢装具士|186人

ここまで産業系の資格が多く続きましたが、12位は医療専門職です。

義肢装具士は、義手・義足などの義肢や、コルセットなどの装具について、製作や身体への適合に関わる国家資格です。

法律上、医師の具体的な指示を受けて、装着部位の採型や義肢・装具の身体への適合を行います。

2026年2月に実施された2025年度の第39回国家試験は、

受験者186人、合格者150人、合格率80.6%。

前回の合格者数が多い資格・検定ランキングTOP15では、看護師国家試験の合格者だけで5万人を超えていました。

同じ医療・福祉の世界でも、

資格によって母集団がここまで違う。

これはかなり印象的でした。

13位 一般粉じん関係公害防止管理者|204人

再び公害防止管理者です。

一般粉じん関係公害防止管理者は、一般粉じん発生施設を持つ特定工場などで、公害発生施設・公害防止施設の運転、維持、管理などを担うための資格区分です。

2025年度の受験者は、

204人。

合格者は44人でした。

面白いのは、公害防止管理者等国家試験全体では2025年度に19,845人が受験していることです。

全体では約2万人。

でも、一般粉じん関係だけを見ると204人。

しかも、公害防止管理者等国家試験は年齢・学歴・実務経験不問です。

つまり、「受けたくても受けられないから204人」ではありません。

同じ資格制度の中でも、必要とされる施設の種類によって受ける意味がある人の数がまるで違うのです。

14位 大気関係第2種公害防止管理者|209人

大気汚染防止に関わる公害防止管理者の一資格区分です。

特定工場では、設置しているばい煙発生施設などの種類や規模に応じた資格を持つ公害防止管理者を選任する必要があります。

2025年度の大気関係第2種は、

受験者209人、合格者70人。

ところが、同じ年の大気関係第1種は4,064人が受験しています。

同じ「大気関係」でも、第1種と第2種では受験者数が約20倍違います。

こちらも受験資格そのものは厳しくありません。

それなのにここまで差がつく。

資格の入口より、その資格区分が必要になる設備・現場の違いの方が受験者数を左右していることがよく分かります。

資格名だけ眺めていたら、まず分からない差です。

15位 土地区画整理士技術検定|223人

最後は土地区画整理です。

土地区画整理事業は、道路や公園などの公共施設を整備しながら、土地の区画を整理して市街地を整えていく事業です。

土地区画整理士技術検定は、土地区画整理法に基づき、換地計画に関する専門的な技術を持つ人材を確保することを目的とした技術検定です。

そして、この試験は受ける前からかなり専門的です。

学歴などに応じて、土地区画整理事業に関する一定年数の実務経験が求められます。

2025年度は、

学科試験223人、実地試験161人。

今回は入口となる学科試験の223人をランキングに使いました。

知名度だけの問題ではありません。

そもそも受験できる人の時点でかなり絞られている資格です。

「受験資格が厳しいから少ない」だけではなかった

15資格を調べる前は、正直、

「特殊資格ばかりだから、実務経験などで受験者が絞られているのだろう」

と思っていました。

でも、実際にはそれだけではありませんでした。

今回のTOP15は、大きく分けると次のようなタイプに分かれます。

1.試験は誰でも受けられる。でも使う仕事が狭すぎる

公害防止管理者等国家試験が象徴的です。

年齢、学歴、実務経験による受験制限はありません。

それでも公害防止主任管理者は47人、一般粉じん関係は204人、大気関係第2種は209人でした。

高圧室内作業主任者や林業架線作業主任者も、試験を受ける段階では受験資格がありません。

つまり、

「受験できる人が少ない」のではなく、「受験する意味がある人が少ない」。

今回のランキングでは、このタイプがかなり目立ちました。

2.必要になる業界そのものが極端に狭い

火薬類製造保安責任者、核燃料取扱主任者、原子炉主任技術者などです。

火薬工場。

核燃料施設。

原子炉。

どれも社会には必要ですが、働く人の母集団は巨大ではありません。

資格の人気以前に、その資格を必要とする職場の数が限られています。

3.受験はできても、免許交付や実務で別の条件がある

ここは少しややこしいところです。

高圧室内作業主任者や林業架線作業主任者は、試験だけなら受験資格はありません。

しかし、試験合格後に免許を申請する段階では、実務経験等が関係します。

つまり、

「試験を受ける資格」には制限がなくても、「その資格を実際に完成させて仕事で使う」段階では条件がある。

単純に「誰でも取れる資格」と表現するのも正確ではありません。

4.受験する前から専門家に絞られている

特別ボイラー溶接士や土地区画整理士技術検定はこちらです。

特別ボイラー溶接士は、原則として普通ボイラー溶接士の免許取得後に一定の溶接経験が必要です。

土地区画整理士技術検定も、学歴などに応じた実務経験が求められます。

このタイプは素直に、

受験資格の時点で母集団がかなり小さい。

だから受験者も少なくなります。

5.通常とは別の特殊ルート、または専門職自体が小さい

幼稚園教員資格認定試験や高校の教員資格認定試験は、通常の教職課程とは別ルートです。

教員を目指す人全体が受ける試験ではないので、受験者が少なくなります。

義肢装具士は別ルート型ではありませんが、専門職そのものの規模が看護師などと比べて小さいため、国家試験の受験者数も小さくなります。

こうして見ると、

「受験者数が少ない資格=受験資格が難しい資格」ではありません。

むしろ今回のランキングから強く感じたのは、

資格試験の受験者数は、その資格の難しさ以上に「その資格を必要とする仕事の広さ」を映している

ということでした。

全国21人でも、試験が存在する

今回調べていて、個人的に一番面白かったのはここでした。

年間数十人しか受けない試験でも、制度としてきちんと存在しています。

もちろん幼稚園教員資格認定試験のように「別ルートだから少ない」という試験もあります。

一方で、原子炉の保安監督や火薬製造の安全管理は、

受験者が少ないから不要になる仕事ではありません。

高圧室内作業や林業架線作業も同じです。

働いている人数が少ない世界だからこそ、専門知識を持った人が安全を管理する意味があります。

資格の規模と、資格の重要性は別物なんですよね。

受験者数が多い国家資格ランキングだけ見ていると、この感覚はなかなか出てきません。

「もっと少ない国家資格」がある可能性もあります

ここは、このランキングを見るうえで大事な注意点です。

日本の国家資格・国家試験には、実施主体や統計の公表方法がかなりバラバラなものがあります。

今回調査した中にも、海事・航空・無線などの一部試験をはじめ、2025年・2025年度の全国実受験者数を、今回と同じ条件で公式公開資料から確認できないものがありました。

その中に、21人より少ない試験や、今回のTOP15に入る試験が存在する可能性はあります。

また、技能検定の作業別などを極端に細かく分ければ、受検者が数人という区分もあります。

ただ、それらを混ぜると、

「資格そのものを比べているのか」

「一資格の中の細かな作業区分を比べているのか」

が分からなくなってしまいます。

そのため今回は、

全国の実受験者数を公式資料で確認でき、独立した国家資格・国家試験または正式な資格区分として比較できるもの

という線を引きました。

ランキングを無理に断定するより、確認できた範囲を正直に書く方がいいと考えています。

ランキングまとめ

ここまで15資格・国家試験を一つずつ見てきました。

最後に、今回のランキングを一覧でまとめます。

順位 国家資格・国家試験 受験者数
1位 幼稚園教員資格認定試験 21人
2位 乙種火薬類製造保安責任者 26人
3位 公害防止主任管理者 47人
4位 高圧室内作業主任者 56人
5位 核燃料取扱主任者 84人
6位 原子炉主任技術者※ 88人
7位 丙種火薬類製造保安責任者 89人
8位 甲種火薬類製造保安責任者 102人
9位 林業架線作業主任者 116人
10位 特別ボイラー溶接士※ 154人
11位 高等学校教員資格認定試験(情報) 169人
12位 義肢装具士 186人
13位 一般粉じん関係公害防止管理者 204人
14位 大気関係第2種公害防止管理者 209人
15位 土地区画整理士技術検定※ 223人

※ 原子炉主任技術者は筆記試験、特別ボイラー溶接士・土地区画整理士技術検定は学科試験の受験者数です。

受験者数の少ない側を見ると、日本の仕事の広さが見えてくる

今回のランキングには、普段の資格ランキングではほとんど見かけない名前が並びました。

幼稚園教員資格認定試験。

火薬類製造保安責任者。

核燃料取扱主任者。

高圧室内作業主任者。

林業架線作業主任者。

公害防止管理者。

一つずつ調べてみると、

「そんな仕事があるのか」

「そこに国家資格があるのか」

「なるほど、だから100人も受けないのか」

と、かなり面白いです。

資格というと、つい宅建、簿記、FP、IT資格のような有名どころに目が向きます。

でも、その外側には、年間数十人しか受けない資格があります。

しかも、その理由は必ずしも「受験資格が厳しいから」ではありません。

誰でも試験には挑戦できるのに、その資格を必要とする仕事が狭すぎて数十人しか受けない。

そんな資格もありました。

受験者数を見ると、資格の人気だけではなく、その資格が支えている仕事や産業の広さまで見えてくる。

今回の調査で一番面白かったのは、そこでした。

その資格を持つ人たちは、普段ほとんど意識しない場所で社会を支えています。

資格の世界、思っていたよりずっと広いです。

国家資格に限らず全体を俯瞰したい場合は、主要資格・検定の受験者数ランキングTOP15もあります。さらに、受験者数ではなく「届かなかった人数」で見ると、年間で不合格者が多い資格ランキングTOP15ではまたまったく違う景色になります。

資格録ラボでは今後も、公式データを使いながら、資格の世界をいろいろな角度から見ていきます。

主な出典

本記事では、官公庁・試験実施団体が公表している2025年・2025年度の公式資料を中心に集計しています。

※ 数値は記事作成時点で確認できる2025年・2025年度の公式公表値を使用しています。試験実施団体による訂正・更新等により、後日数値が変更される場合があります。