欠席率が低い資格・検定ランキングTOP15【2025年度】医療系はなぜ受験まで進む人が多い?

2025年度の申込・出願者数と実受験者数から、欠席率が低い資格・検定を比較。助産師、保健師、看護師、医師などの医療系と、CADや検定の受け方の違いを考えます。

資格試験に申し込むと、少しだけ前に進んだ気がします。

そこから当日まで、予定どおり勉強を続けるのは案外大変です。仕事が忙しくなったり、準備が思うように進まなかったり。「今回は見送ろうかな」と迷う日もあるでしょう。

では、申し込んだ人のほとんどが、実際の受験まで進む試験は何でしょうか。

欠席率が高い資格ランキングに続き、今回は反対側を見てみます。

数字を追うと、上位には医療系の国家試験が並びました。そこに、仕事の経験を資格につなげる試験や、学校・家族の予定になりやすい検定も入っています。

低い欠席率の背景には、本人の気持ちだけでなく、試験日がどのくらい生活や進路に組み込まれているかが見えてきそうです。

このランキングで比べるもの

この記事では、欠席率を次のように計算しています。

欠席率=(申込・出願件数−実受験件数)÷申込・出願件数×100

100件の申込みに対して99件の実受験があれば、欠席率は1%、受験につながった割合は99%です。医療系の「出願者数」も、この分母に使っています。

対象は2025年度の日本の資格・検定で、同じ期間・同じ区分の申込と実受験の数値を一次資料で確認でき、年間申込件数が1,000以上ある比較対象です。級・類・試験区分ごとに比較し、年に複数回ある試験は件数を合算します。2026年1~3月に行われた医療系国家試験も2025年度に含めています。

医療系は新卒者と既卒者等を合わせた全国の全体値を使います。新卒だけを取り出した数字や、学校別の数字を他の資格の全体値と混ぜて順位を付けることは避けました。

試験の入口、または独立して申し込める区分を対象とし、先行試験の合格が前提の二次・口述試験は対象外としています。キャリア技能検定の実技は学科と独立して申し込めるため含めています。

国内・海外が分かれた資料は国内値を使い、漢検は国内外の内訳を分けない協会公表の全体値を使用しています。漢検の志願者数にはCBT・オンライン受検、協会判断による繰越・返金となった申込みも含まれます。CADはCBTと認定会場のIBTを含む級別公表値です。

ここでいう欠席率は、公表された申込み・出願から実受験への差分率です。取消、受験資格の確定、予約変更、一部受験などの扱いも数字に関わります。「試験当日の欠席」より広い範囲の差を、申込みから受験まで進む割合として眺めます。

歯科衛生士、臨床工学技士、言語聴覚士などは受験者数を確認しましたが、今回確認した資料では同年度の出願者数をそろえられず、率の算出対象から外しています。この順位は、申込・受験の組を確認できた比較対象内のTOP15です。

欠席率が低い資格・検定 TOP15

まずは、低い順に並べた結果です。

2025年度の欠席率が低い資格・検定ランキングTOP15。上位は助産師、保健師、看護師、救急救命士、医師。年間申込件数1,000以上の比較対象を試験区分別に集計。

1~5位は医療系国家試験。助産師、保健師、看護師、救急救命士、医師が並びました。 作業療法士と理学療法士も入り、医療系はTOP15のうち7区分を占めています。

全15区分の欠席率は約0.5~4.8%。公表上の申込み・出願の約95%以上が受験につながっています。

ただ、同じ医療系でも数字はそろいません。その違いをたどると、「どんな人が、何のために受ける試験なのか」が少しずつ見えてきます。

助産師・保健師・看護師。試験の先に、春からの仕事が見える

1位の助産師国家試験は、出願2,057件に対して受験2,046件。差は11件で、欠席率は0.53%でした。

2位の保健師国家試験は0.80%、3位の看護師国家試験は1.16%です。看護師は出願が6万件を超える規模でも、約98.8%が受験につながっています。

この3試験は、新卒者が出願者の大部分を占めます。看護師の場合、全体60,311件のうち新卒者は54,401件で、約9割でした。

さらに内訳を見ると、新卒者は出願54,401件・受験54,036件で、欠席率は0.67%。新卒以外は全体から新卒を差し引くと、出願5,910件・受験5,578件で、5.62%になります。

同じ試験でも、受験者の構成によって見え方が変わります。看護師全体の低い数字は、受験まで進む割合が特に高い新卒者が多数を占めることとも結びついています。

たとえば、卒業が近づいた学生にとって、国家試験は春からの働き方につながる大きな予定です。実習を終え、卒業を迎え、次の現場へ進む。その流れの中に試験日が置かれているなら、「今回は見送る」という選択は取りにくくなりそうです。

一方、既卒者なら仕事や家庭と受験準備を両立する場面もあるでしょう。受ける資格名が同じでも、当日までの道のりは違うのかもしれません。

低い欠席率には、資格を目指す人の熱意に加えて、卒業・就職と試験がつながる受け方が表れている。 そんな見方ができます。

救急救命士は、仕事の中に組み込まれた受験もある

4位の救急救命士国家試験は、出願3,579件・受験3,524件で、欠席率は1.54%でした。

公式の教育施設別表を見ると、消防学校や救急救命研修所などが並ぶ、救急救命士法第34条第4号の区分があります。この区分は出願1,157件・受験1,157件で、出願から受験への差は0件です。全体の出願の約3分の1を占めています。

仕事に関わる養成課程の中で試験を迎える場合、受験は個人の予定であると同時に、組織の育成の流れにも位置づけられていそうです。

「興味があるから、いつか受けてみたい」という申込みと、「この課程を終えて、次の業務につなげたい」という申込み。その違いが、低い欠席率の一つの背景になっているのかもしれません。

医師・リハビリ職も上位。ただし医療系の数字は一様ではない

5位は医師国家試験で、欠席率は2.58%。10位の作業療法士は3.66%、11位の理学療法士は3.98%でした。

養成課程の先に職業があり、その節目に国家試験がある。医療系の上位に共通するのは、受験までに積み重ねてきた学びと、資格取得後の働き方がつながっていることではないでしょうか。

しかし、同じ2025年度の全体値を計算すると、薬剤師は10.43%、歯科医師は11.87%です。医療系というだけで、すべてが上位に入るわけではありません。

出願と受験の間には、当日の体調や予定に加え、卒業見込みや受験資格の確定といった節目もあります。このランキングを読むときは、試験会場へ行くかどうかだけでなく、出願した人が受験者として数えられるまでの仕組みにも目を向けると面白くなります。

医療系の低い欠席率からは、進路と試験が密接につながる姿が見える。一方で医療系の中の差からは、その進路の途中にもいくつかの関門があることを想像できます。

キャリア技能検定と介護福祉士。積み重ねた経験を資格にする

6位はキャリアコンサルティング技能検定1級の実技で、欠席率は2.97%。2級の実技も9位に入り、3.45%でした。

名前が少し長いですが、仕事選びや働き方に関する相談を支える人の、知識と技能を確かめる国家検定です。2級では一対一の相談支援、1級ではさらに、相談を担当する人への指導や助言も求められます。

たとえば、就職や転職で迷う人の話を聞き、その人が次の一歩を考えられるように支える仕事。その相談支援の力を、学科と実技で評価します。今回順位に入っているのは、論述と面接からなる実技の区分です。

国家資格キャリアコンサルタント試験とは別の試験で、学科と実技は個別に申し込めます。今回の集計では実技を独立した区分として扱っています。

実務経験などの受検資格を満たし、相談支援の技能を試験で確かめる。受ける人にとって、申込みは「これから何かを始める」より、「続けてきた仕事を形にする」に近い場面もありそうです。

8位の介護福祉士国家試験は3.39%。実務経験と研修などを積み重ねて受ける人もいる試験です。

働きながら試験に備え、勤務の調整を相談し、合格後の仕事も思い描く。そんな準備があれば、試験日は生活の中で優先度の高い予定になります。

医療系と合わせて見ると、上位には、受験の前から仕事や進路との結びつきが強い試験が目立ちます。

CADや幼児向け検定は、受験を支える予定にも注目

7位の3次元CAD利用技術者試験2級は3.06%、13位の2次元CAD2級は4.49%でした。

CADは、パソコンを使って図面を描いたり、立体の形を設計したりするための仕組みです。機械や建築などの設計・製図に関わる仕事を学ぶ人にとって、身近な道具になります。

2次元CAD2級は、CADシステムや製図の基礎知識を確かめる試験。3次元CAD2級は、立体を扱うCADの基礎知識を学び、設計の補助やCADオペレーターを目指す人を想定しています。どちらも、今回掲載した2級は知識を問う区分です。

資格名になじみがなくても、「設計の仕事に向けて学んだことを確かめる試験」と考えると、受ける目的が見えてきます。

2025年度の案内には、個人が受けるCBTに加え、学校・企業などの認定会場で受けるIBTの経路があります。授業や対策講座の進み方に合わせて日程を設定できる仕組みも示されています。

授業の区切りや職場での学習と受験が結びついていれば、当日までの段取りを整えやすそうです。

12位には幼児向けのかず・かたち検定ゴールドスターが入り、欠席率は4.35%でした。

「ゴールドスター」と聞くと専門的な資格のようですが、これは数学検定・算数検定を実施する日本数学検定協会の、幼児向けの検定です。10までの数や丸・三角・四角などの形、大小や長短、並び方の規則などへの理解を確かめます。

たとえば、お菓子の数を数えたり、積み木の形を見比べたり。そんな遊びや生活の中で育った力を、検定という形で確かめるものです。保護者にとっては、「こんなこともできるようになったんだ」と成長を振り返る機会にもなりそうです。

仕事につながる国家試験と、子どもの成長を見守る検定が、同じ低欠席率のランキングに並ぶ。ここはちょっと面白いところです。

14位には漢検準2級も入りました。

子どもの検定なら、申込みや持ち物、当日の移動に保護者や先生が関わる場面が想像できます。学校や塾で受ける漢検なら、周りにも同じ日を目指す人がいるでしょう。

本人が試験日を覚えているだけでなく、誰かと一緒に予定を作っている。その支えも、申込みから受験へ進む力になっているのかもしれません。

低い欠席率から見えるのは、受験までの道のり

このランキングの上位では、試験が卒業・就職・仕事・授業などの予定とつながっていました。

数年の学びを経て受ける国家試験。仕事の経験を技能として確かめる試験。家族や学校と一緒に迎える検定。それぞれ受ける理由は違っても、試験日が生活の中にしっかり置かれている姿が浮かびます。

受験する割合と、合格する割合は別の数字です。受験後の結果にも興味があれば、年間で不合格者が多い資格ランキングも合わせて読むと、試験との向き合い方を別の角度から眺められます。

以下に、順位と計算に使用した件数をまとめました。

元データ一覧

順位 資格・検定/試験区分 申込・出願件数 実受験件数 欠席相当件数 欠席率
1 助産師国家試験 2,057 2,046 11 0.53%
2 保健師国家試験 7,527 7,467 60 0.80%
3 看護師国家試験 60,311 59,614 697 1.16%
4 救急救命士国家試験 3,579 3,524 55 1.54%
5 医師国家試験 10,244 9,980 264 2.58%
6 キャリアコンサルティング技能検定 1級(実技) 1,077 1,045 32 2.97%
7 3次元CAD利用技術者試験 2級 2,317 2,246 71 3.06%
8 介護福祉士国家試験 81,223 78,469 2,754 3.39%
9 キャリアコンサルティング技能検定 2級(実技) 3,976 3,839 137 3.45%
10 作業療法士国家試験 5,632 5,426 206 3.66%
11 理学療法士国家試験 12,951 12,436 515 3.98%
12 かず・かたち検定 ゴールドスター 1,975 1,889 86 4.35%
13 2次元CAD利用技術者試験 2級 3,632 3,469 163 4.49%
14 日本漢字能力検定 準2級 172,431 164,547 7,884 4.57%
15 危険物取扱者 乙種第6類 10,921 10,402 519 4.75%

※すべて2025年度。医療系は2026年実施の全国全体値。助産師第109回、保健師第112回、看護師第115回、救急救命士第49回、医師第120回、作業療法士・理学療法士第61回です。新卒者は全体の内数です。

※介護福祉士は第38回、キャリア技能検定1級は第15回、2級は第34・35回の合算。漢検準2級は第1~3回の公表値の合算、かず・かたち検定は国内年間値、危険物は2025年4月~2026年3月です。複数回・複数区分への申込みは延べ件数になります。

※順位は丸める前の値で計算しています。6位と7位、8位と9位などの小さい差は、近い水準として読むのが自然です。

主な出典

出典確認日:2026年10月4日。