欠席率が高い資格・検定ランキング|申し込んでも受けない割合は?【2025年・年度】

2025年・年度の申込者数と実受験者数から、主要資格・検定の欠席率を比較。情報処理技術者試験、税理士試験の科目、測量士など、申込みから受験までの差を見ます。

資格試験に申し込むときは、「今度こそ受けよう」と思っていたはず。

ところが、試験が近づくと仕事が立て込んだり、思っていたより勉強が進んでいなかったり。「受けたい」と思った日の自分と、試験前日の自分。その間には、意外と長い道のりがありそうです。

では、申込みと実際の受験の間には、どのくらいの差があるのでしょうか。

今回は、2025年または2025年度の公表データから、主要な資格・検定の欠席率を比較します。合格したかどうかよりも前にある、「申し込んだあと、受験まで進んだか」という数字です。

何を「欠席率」として比べるのか

この記事では、次の式で計算します。

欠席率(%)=(申込者数 − 実受験者数)÷ 申込者数 × 100

たとえば、申込みが1,000件、実際の受験が700件なら、差分は300件、欠席率は30%です。

ここでいう欠席率は、各団体の公表する申込・受験の差分から求めた未受験に相当する割合です。取消や一部受験の扱いは、各団体の統計定義に沿います。数字で受験までの動きを捉え、その背景は考察として読み解いていきます。

比較条件は次のとおりです。

  • 国内の試験について、同じ期間・区分の申込者数と実受験者数が公表されているもの。
  • 各団体の公表単位に合わせ、2025年または2025年度を使用。年度と暦年は表で区別する。
  • 年間の申込件数が1,000以上の区分を対象とし、科目・級・種・類を分けて比較する。
  • 同じ区分が年に複数回ある場合は、年間の申込・受験件数を合算する。
  • 二次・論文式・口述など、先行段階の合格者等を対象とする後続段階は含めない。
  • CBT・IBT等は、予約変更・取消の扱いを含め、同じ対象の申込数と受験数が対応するものを採用する。

複数回受験する人、複数科目を申し込む人は、それぞれの受験機会で数えられます。人の実人数ではなく、申込み1件が受験につながったかを比べるランキングです。

なお、申込件数1,000以上という条件は、小規模な区分の順位が少人数の差で大きく変わるのを避けるための基準です。順位は、公表データがそろい、上記の条件を満たす比較対象の範囲で付けています。

欠席率が高い資格・検定 TOP15

では、申込みから受験までの間に生じた差を見てみます。

2025年・年度の比較対象で欠席率が高い資格・検定15区分。プロジェクトマネージャ37.1%、税理士試験国税徴収法37.0%が上位。

※各実施団体の公表値から計算。科目・級・類別に比較し、応用情報は春・秋の合算。表示は小数第1位、順位は丸める前の値によります。30.9%の3区分のように、近い順位の差がごく小さい場合もあります。

上位に並ぶ情報処理技術者試験

比較対象で最も高かったのは、プロジェクトマネージャ試験の37.1%でした。申込み13,540件に対して実受験は8,511件。差分は5,029件です。

100件の申込みに置き換えると、受験まで進むのは約63件。……3分の1を超える差は、かなり大きく感じます。

システムアーキテクト、データベーススペシャリストなども上位に入りました。TOP15のうち8区分が情報処理技術者試験です。

この並びから、申込みと日々の仕事の間にある距離を想像したくなります。ここからの背景の読み解きは、数字を手がかりにした考察です。

たとえば、申込時点では「今回は勉強時間を確保できそう」と思っていたのに、試験が近づくほど仕事が忙しくなる。帰宅して参考書を開くつもりが、気づけば寝る時間になっている。そんな日が重なると、受験するかどうかの判断も揺れそうです。

もうひとつ浮かぶのは、先に申し込むことで、自分に勉強の締切を作るという使い方です。「準備ができたから申し込む」人もいれば、「申し込んでから準備を始める」人もいるはず。後者にとっては、申込みそのものが挑戦の第一歩になります。

もしこうした申込み方が一定数あるなら、欠席率の高さには、目標を先に置いて走り出す人の多さも表れているのかもしれません。37.1%という差分の向こうに、「今年こそ」という気持ちがあったと考えると、数字の印象も少し変わります。

集計上は、IPAの応募者・受験者の統計が区分ごとにそろっている点も、この並びに影響します。IT分野の受験事情と、比較に使える統計の充実度。その両方を踏まえて眺めたい結果です。

IT分野の受験規模については、IT・デジタル系資格の受験者数ランキングでも比較しています。

応用情報は春・秋を合わせて33.9%

応用情報技術者試験は、2025年度の春・秋を合算しました。

申込みは延べ125,041件、実受験は延べ82,668件。差分は42,373件で、欠席率は33.9%です。

年間の率は、春と秋それぞれの申込件数を合計し、合計の差分から計算しています。こうすると、回ごとの申込規模の違いも反映できます。

率だけなら上位のほかの試験と数ポイントの差ですが、申込規模が大きいため、差分の件数も大きくなります。「割合が高い」と「人数・件数が多い」は、別の見方だと分かります。

税理士試験は「科目」と「人」で数字が変わる

税理士試験では、国税徴収法が37.0%、固定資産税が32.1%でした。

この順位は科目単位です。国税徴収法という科目への申込みと、その科目の受験を対応させています。

複数科目を申し込んで一部だけ受けた場合、受験した科目と欠席した科目の両方が記録されます。ひとりの受験者が、受験と欠席の両側に登場するわけです。

たとえば、最初は2科目に挑戦するつもりでも、直前に「今年はこちらの科目に集中しよう」と考える場面はありそうです。その人にとっては、挑戦を続けながら力の配分を変えた、とも捉えられます。科目ごとの欠席には、こうした直前の作戦変更が重なっている可能性もあります。

第75回の試験全体では、申込者は実人員45,517人、実受験者は実人員36,320人。この実人員で計算すると、欠席率は20.2%です。

科目ごとの延べ件数では、申込み71,727件、実受験52,236件。こちらの差分率は27.2%になります。

同じ試験でも、「人を数えるか、科目の受験機会を数えるか」で数字が変わる。税理士試験は、その違いがよく見える例です。人の単位なら「試験に足を運んだか」、科目の単位なら「どの挑戦を当日まで続けたか」。数字を読む視点が、ぐっと細かくなります。

測量・計量・消防・金融の試験にも約3割の差

測量、計量、消防、金融の試験にも目を向けてみましょう。

測量士試験は33.1%、環境計量士の濃度関係は30.9%。消防設備士では甲種第1類が30.6%、甲種第4類が29.2%でした。銀行業務検定の税務2級も29.4%で上位に入っています。

分野も資格の位置付けも異なる試験に、約3割という似た差が現れています。これは少し気になるところです。

背景のひとつとして浮かぶのは、資格取得の目標と、目の前の生活や仕事との優先順位です。「取っておきたい」という気持ちがあっても、試験直前に別の用事が大きくなれば、今回はそちらを選ぶこともありそうです。

さらに、受験はできるだけ準備が整った状態で迎えたいもの。「今の仕上がりで受けるか、学習を続けて次の機会を目指すか」という迷いも想像できます。欠席の中には、挑戦の時期を選び直した人もいるのかもしれません。各試験の受験資格や受験者層の違いを合わせて見ると、こうした選択の背景にも興味が広がります。

消防設備士は、同じ人が別の回に申し込む場合もある年度の延べ件数です。税務2級は2025年3月2日の全国一斉試験を使用しており、2025年の暦年側で比較しています。開催年度は2024年度に当たるため、表では「2025年・第160回」と記載しています。

欠席と不合格は、別の数字

申込者から合格者を引いた数を、「不合格者」と呼びたくなることがあります。しかし、そこには受験しなかった分も含まれます。

この記事が見ているのは、申込みから受験までの差。不合格者数を見るなら、原則として実受験者数と合格者数の差を使います。

合格率は、受験した人がどんな結果を得たか。欠席率は、申込みがどれだけ受験につながったか。それぞれ、挑戦の別の段階を照らしています。

合格率の数字が試験会場の中を見せてくれるとすれば、欠席率の数字は、そこへたどり着くまでの日々を想像させてくれます。参考書を買った日、帰宅後に少しだけ勉強した夜、受験票が届いたとき。その途中にも、ひとりひとりの小さな物語がありそうです。

受験した後の結果を件数で見るなら、年間で不合格者が多い資格ランキングが別の切り口になります。

申込みから試験当日までにも、挑戦の物語がある

今回の比較では、申込みの約3割から4割弱が実受験に結びついていない区分が上位に並びました。

資格の統計を受験者数や合格率だけで見ていると、この途中の差は見えにくくなります。申し込むことと、当日受けることの間にも、ひとつの段階があるわけです。

先に目標を置いた人。途中で別の科目に力を集中した人。仕事や生活との折り合いをつけながら、挑戦の時期を選び直した人。そんな姿を想像すると、申込者数と受験者数の間の差分にも、人の動きが感じられます。

「今度こそ受けよう」と思って申し込んだ日。その気持ちが試験当日まで続いた人も、途中で予定を変えた人も、同じ申込の数字に入っています。

資格への挑戦が、申込みから受験までどうつながっているか。 欠席率をこの視点で読むと、合格率と並べて眺めたい、もうひとつの資格の風景が見えてきます。

ランキングの数値一覧

「差分」は申込数−実受験数で求めた欠席相当の件数です。複数回・複数科目がある集計は延べ件数を含みます。区分ごとの申込みと受験機会を単位としてお読みください。

順位 資格・試験区分 対象期間 申込数 実受験数 差分 欠席率
1 プロジェクトマネージャ試験 2025年度・秋期 13,540 8,511 5,029 37.1%
2 税理士試験 国税徴収法 2025年度・第75回 2,651 1,671 980 37.0%
3 システムアーキテクト試験 2025年度・春期 6,021 3,963 2,058 34.2%
4 応用情報技術者試験 2025年度・春秋合算 125,041 82,668 42,373 33.9%
5 測量士試験 2025年 5,539 3,703 1,836 33.1%
6 データベーススペシャリスト試験 2025年度・秋期 14,416 9,769 4,647 32.2%
7 税理士試験 固定資産税 2025年度・第75回 1,367 928 439 32.1%
8 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 2025年度・秋期 1,696 1,156 540 31.8%
9 ネットワークスペシャリスト試験 2025年度・春期 17,297 11,948 5,349 30.9%
10 ITサービスマネージャ試験 2025年度・春期 2,898 2,002 896 30.9%
11 環境計量士 濃度関係 2025年・第76回(12月14日) 2,589 1,789 800 30.9%
12 消防設備士 甲種第1類 2025年度(2025年4月〜2026年3月) 18,625 12,934 5,691 30.6%
13 システム監査技術者試験 2025年度・秋期 3,183 2,245 938 29.5%
14 銀行業務検定 税務2級 2025年・第160回(3月2日) 2,325 1,641 684 29.4%
15 消防設備士 甲種第4類 2025年度(2025年4月〜2026年3月) 30,821 21,819 9,002 29.2%

申込数は、IPA・銀行業務検定協会の「応募者数」、国土地理院の「願書提出者数」、経済産業省の「出願者数」、その他の団体の「申込者数」を使用しています。消防設備士の年度は2025年4月〜2026年3月です。税理士試験は科目別、計量士は試験区分別に比較しました。

主な出典

数値確認日:2026年10月4日。欠席率と差分は、公表された申込・受験の数値から計算しています。